なぜ旅に出ようと思ったのですか? ~自己紹介に代えて~

SR400 旅の準備

みなさんに記憶はありますか?

私は2022年6月に無職になりました。

うつ病で入院したのです。


遡ること数年前、いわゆるモトブログというものが浸透しはじめたとき、たまたま見た日本一周動画を見て、憧れてバイクを買いました。

SR400、ファイナルエディションです。

様々なところへツーリングに行きました。しかしながら、当時の私には週1日の休みしかなく、日帰りで行ける場所というのは限られていました。

もっと自由に旅をしたい。

そう思い続けながらも、日々の激務に追われて叶わずにいました。


入院中、「これからどうしたらいいのか」と考える日々。

抑鬱とした気分の中では、すぐに次の仕事を探す気にはなれませんでした。

仕事を辞め、時間に余裕がある今しかできないことをしたい。

あのバイクを、ほとんど眠らせているだけではもったいない。


「バイクで日本一周しよう」

入院中に至った結論は無謀のように思えましたが、私の病を癒やし、退院後の楽しみとするには充分でした。

「四国八十八ヶ所を巡礼しよう」

「キャンプもしたい」

「登山もしよう」

次々と旅のアイデアが出てきます。

この先の人生において、ゆっくり時間がとれることはないかもしれない。

やろうやろうと思っていたまま、不慮の病気や事故で早死してしまうかもしれない。

これは二度とないチャンスです。


休みと称して家で寝ている時間は記憶にならない。

私には強い記憶がありませんでした。毎日の仕事が鬱々とした精神や疲労と共に過ぎていったことだけが思い出されます。しかしそれが何になるのか。仕事で培った技量も、金も、だからそれが一体何なのか。入院という制限された環境で、あるいは死が見えるという差し迫った状況では、技量も金も意味をなくし、唯一残されるのは自分の精神だけです。さて、その精神には何があるのか。

強い体験のない毎日はのっぺりとした時間の繰り返しであり、1週間前に何をしていたのか、1ヶ月前に何があったのか、回想の余地がありません。記憶は作らなければ存在せず、記さなければ忘れられて過去の時間ごと消えてしまうのです。無い記憶から想像することはできず、忘れられた記憶は回想の機会すら与えられないのです。

死ぬときに最後まで手元に残るのは記憶しかありません。私がある日の自殺直前に初めて気づいた事実です。

強い体験、非日常で見たもの聞いたもの、味わったもの、激動の時間は、必ず記憶になります。

死ぬのはもう少し先でもいい。

もう少し記憶を作ってみよう。

そう思いたち、旅に出かけることにしました。


みなさんに記憶はありますか?

muku

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